ガソリンは古くなるとエンジンの始動などに影響を与える恐れがあります。
そのため発電機・除草機・除雪機など古いガソリンが残りやすい機械は、ガソリンの処分が必要です。
ただ古くなって劣化したガソリンの処理がわからないという人も多いと思います。
そこでこの記事では、劣化したガソリンを使ったときの影響と、どのように廃棄をすればいいかについてガソリンスタンドの販促の手伝いを10年以上行ってきた専門家の立場からご説明します。
ガソリンが劣化するとどうなるの?
ガソリンは長期間使用しないと劣化し、これを使うとエンジンや燃料計が故障する恐れがあります。
そのため、ガソリンは劣化する前に使い切る必要かあります。
もし使いきれなかった場合は廃棄処分が必要です。
ガソリンは形状変化する
劣化したガソリンは形状が変化します。
もともと薄いオレンジ色のガソリンは、劣化することによって茶色や黒っぽい色に変化します。
またサラサラの液体から、ドロドロに変化し刺激臭も強くなります。
ただ形状変化の原因は空気にさらされることなので、空気にさらされることが少ない場所で保管すれば若干劣化スピードは遅くなります。
車のタンクは密閉状態に保たれているため、劣化が始まるまで半年程度かかると言われています。
車に半年以上乗っていないとエンジンのかかりが悪くなるのはそのためです。
劣化したガソリンの廃棄・処分方法
劣化したガソリンはエンジン等の故障原因になるため半年以上ガソリンタンクに入っている場合は捨てるしかありません。
ただガソリンは危険物のため、簡単に捨てることができません。
廃棄が可能なところで正しく処分する必要があるのです。
ガソリンスタンドで廃棄する
古くなったガソリンの処分はガソリンスタンドに相談しましょう。
ガソリン廃棄はガソリンスタンドによって取り扱いが異なるので、まずお願いするガソリンスタンドがガソリンの廃棄を行っているか確認してください。
また、ガソリンの廃棄を行っているガソリンスタンドでも費用がそれぞれ違うので、どれくらい量があるかを明確にして相談するようにしましょう。
ガソリンスタンド以外で廃棄する
ガソリンスタンド以外で廃棄する場合は特別管理廃棄物処理業者に問い合わせてください。
特別管理廃棄物処理業者は、ガソリンなど特別管理廃棄物の処理の許可を受けている業者です。
こちらの業者もそれぞれ費用が違うので、見積もりを取って価格を比較してみましょう。
少量のガソリンの処分
自治体によってはごく少量(50㏄程度)のガソリンを洗剤と中和させてから新聞紙等に含ませて捨てることが認められています。
ただしこれは一部の自治体で、すべての自治体がこの方法を認めているわけではありません。
ガソリンの処分については多くの自治体が処理業者を利用するように案内しています。
これについては各自治体のホームページ等に記載されているので、お住いの自治体のものを確認してみてください。
ガソリンを自家用車で運搬する場合の注意事項
ガソリンを自家用車で運搬するときは以下の点に注意してください。
- ガソリンを入れる容器は、消防法令に適合した容器(金属製の携行缶)を使用する。
- 落下、転倒、破損しないように積載する。
- 運搬容器の収納口は上に向けて積載する。
とくにガソリンを入れる容器については注意が必要です。
灯油用のポリ容器や、灯油の一斗缶でガソリンを運ぶのは消防法で禁じられています。
ガソリンを入れる専用の携行缶を利用してください。
ガソリンの性質
ガソリンはほとんどどんな状況でも気化する性質を持っています。
気化した状態のガソリンは小さな火源があると爆発的に燃焼します。
静電気や衝撃の火花等でも引火するので、取扱いには十分な注意が必要です。
また、気化したガソリンの体積は膨張するので、保管している容器内には高い圧力がかかります。
そのため、携行缶等でガソリンを取り扱う際には、火の気がない安全な場所で圧力調整ねじ等でガスを抜いてから開けるようにしましょう。
最後に
ガソリンは古くなると劣化をします。
劣化したガソリンを使うと、エンジンなどに悪影響を及ぼし故障の原因にもなってしまいます。
そのため、ガソリンはできるだけ使い切ることをおすすめします。
もしガソリンが余った場合にはガソリンスタンド等に持ち込みましょう。
廃棄できないガソリンスタンドもありますが、何件かあたれば処分してくれるところはあるはずです。