ハイオクとレギュラーガソリンは何が違うかご存じですか?
自分の車にどちらを入れるかはわかっていても、それぞれの違いについて知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこでこの記事ではハイオクとレギュラーの違いと、これらを間違って給油したらどうなるのかについて、ガソリンスタンドの販促の手伝いを10年以上行ってきた専門家の立場からご説明します。
ハイオクとレギュラーの違い
ハイオクとレギュラーガソリンの大きな違いは、ノッキング現象を起こしやすいかそうでないかです。
このノッキングのしやすさはオクタン価という数値で表され、ハイオクとレギュラーガソリンはこの数値の違いで区別されています。
ノッキング現象とは異常燃焼のことで、燃料が正常なタイミングで爆発せず、異音や振動が生じる現象のことを言います。
オクタン価の違い
ハイオクとレギュラーはオクタン価で区別され、オクタン価の数値が高いのがハイオク、オクタン価の数値が低いのがレギュラーガソリンになっています。
日本工業規格(JIS)の数値で表すと、オクタン価が96以上のものがハイオク、オクタン価が89以上のものがレギュラーです。
このオクタン価は数値が高いと異常燃焼が起こりにくく、ノッキングしにくくなると言われています。
スポーツカーや高級車がオクタン価が高いハイオクを使うのは、高排気量の車のノッキングを防ぐのが目的になってます。
ただオクタン価が低いレギュラーガソリンでも、普通自動車で異常燃焼を起こすことはほとんどありません。
そのためオクタン価の違いはハイオクとレギュラーを区別するためだけのものと考えておけばいいでしょう。
レギュラーよりハイオクの価格が高いのは、ハイオクにはオクタン価を高くするための添加物と添加物の燃えカスを洗浄する洗浄剤が入っているからです。
車に間違ったガソリンを入れたらどうなる?
レギュラーガソリンの車にハイオクを入れたり、ハイオク車にレギュラーガソリンを入れた場合どうなるのでしょうか。
それぞれのリスクについて説明します。
レギュラーガソリン車にハイオクガソリンを入れた場合
レギュラー仕様の車にハイオクガソリンを入れても大きな影響はありません。
ただレギュラー仕様の車は、レギュラーガソリンを入れたときに最高のパフォーマンスができるように設計されています。
そのため、ハイオクを入れたからと言って今まで以上の走りになるわけではありません。
むしろ費用面でマイナスになることが考えられます。
ハイオク車にレギュラーガソリンを入れた場合
ハイオク車にレギュラーガソリンを入れても、すぐに故障することはないでしょう。
しかしハイオク車の場合、レギュラーガソリンでは本来の性能で走ることはできなくなります。
また、燃料が異常燃焼してノッキングを起こすことも考えられます。
さらに継続してレギュラーガソリンを入れるとエンジン系統のセンサー類にも悪影響が及ぶ可能性もあります。
軽油とガソリンの違いは?
軽油とガソリンは全く違う特徴を持っています。
ガソリンは蒸発しやすく炎を近づけると常温でも簡単に着火します。
一方、軽油は蒸発しにくく常温では着火しません。
しかし、ガソリンより低い温度で自着火するという性質があります。
そのため、ガソリンと軽油を間違えて給油すると大きなリスクが考えられます。
ディーゼル車にガソリンを入れた場合
ディーゼル車に軽油ではなくガソリンを入れてしまった場合はすぐにパワーダウンし、排ガスが白くなりエンジンが停止します。
噴射系の部品が焼き付き故障する可能性が高くなるので、修理に相当な費用が必要になることもあります。
ガソリン車に軽油を入れた場合
ガソリン車に軽油を入れると車は正常に走らなくなります。
ノッキングを起こし、最終的には車が停止してしまいます。
運転歴が浅い人やセルフが初めての人などは軽自動車に軽油を入れてしまうこともあるので注意が必要です。
最後に
給油するときはそれぞれの車に合った燃料を給油してください。
もし間違うと場合によっては車が故障してしまう恐れがあります。
レンタカーなど自分の車でない場合は、乗る前にどの燃料を給油すればいいかしっかり確認してガソリンスタンドに行きましょう。