ガソリンスタンドで携行缶にガソリンを入れたことはありますか?
たぶんほとんどの人がガソリン携行缶を使ったことが無いのではないでしょうか。
ただ今後、ガソリンで困ったときに携行缶を使う場面もあるかもしれません。
そこでこの記事では、ガソリンスタンドで携行缶を使って給油するときに安全に取り扱うためのルールについて、ガソリンスタンドの販促の手伝いを10年以上行ってきた専門家の立場からご説明します。
携行缶でガソリンを購入するときの注意点
ガソリンを使った犯罪などが増えたこともあり、現在ではガソリンの取り扱いには厳しいルールが設けられています。
そのため、ガソリンスタンドで携行缶を使って給油する際はスタッフから以下のような確認があります。
フルサービスの場合
ガソリン携行缶で給油をする際、フルサービスでは以下の確認があります。
- 身分証の確認
- 使用目的の確認
さらにガソリンスタンドではこの情報を毎回記録することになっています。
ただ携行缶をよく使用するお客様に対しては、身分証明と使用目的を毎回確認しなくてもいいように携行缶給油用のカードを渡して管理するところもあります。
セルフのガソリンスタンド
セルフでの対応もフルサービスの対応と同じです。
ただセルフだからといって自分で携行缶に給油することはできません。
身分証を提示し、使用目的を報告した後で、スタッフに給油してもらわなければいけないのです。
しかし、セルフはスタッフが少ないので対応が難しい店舗も多数あります。
そのためセルフスタンドでは携行缶を使ってのガソリン給油を断るところが増えてきています。
入れ物の注意
ガソリンスタンドのスタッフに給油を依頼するときには、必ず「危険物保安技術協会の試験確認済証」の表示がされているガソリン携行缶を使用してください。
灯油のポリ缶では給油できないので注意しましょう。
灯油用のポリエチレン缶にガソリンを入れると、ポリ容器が侵され変形して漏れる危険性があります。
ガソリンは揮発性が高く、キャップ部分が劣化していると内圧に耐えられなくなりガソリンの蒸気が漏れる危険性もあります。
またポリ容器はガソリンとの摩擦で静電気が溜まりやすく、ポリ容器のキャップを開けた瞬間に放電し、ガソリンの蒸気に引火し火災になった事例もあるので絶対に使わないでください。
ガソリンの危険性
ガソリンはとても危険なものなので取り扱いには細心の注意が必要です。
ガソリンの危険性については以下の通りです。
ガソリンの性質
ガソリンは気温がマイナス40度でも気化します。
つまり、ほとんどどこに置いていても気化する可能性があり、小さな火源でも爆発的に燃焼する性質も持っています。
静電気や衝撃の火花等でも引火することがあるので取扱いには十分な注意が必要です。
また気化したガソリンの体積は膨張するので、保管している容器内は高い圧力がかかっていることがあります。
携行缶等からガソリンを取り扱う際には、火の気がない安全な場所で圧力調整ねじ等でガスを抜いてから使用して下さい。
ガソリンの保管場所
消防法令に適合した容器で保管する場合でも、合計40リットル以上のガソリンを保管する場合は消防法令により建物の改修や手続が必要となります。
・40リットル以上200リットル未満のガソリンを保管する場合は、市町村の火災予防条例に基づき、保管場所の壁、柱、床及び天井が不燃材料であることなど、構造等の要件が条例の基準に適合している旨の書類を添えてあらかじめ消防機関に届け出る必要があります。
・200リットル以上のガソリンを保管する場合は、消防法に基づき、壁、柱及び床を耐火構造とするなど、一定の構造等の基準に適合させた上で市町村長等の許可を得る必要があります。
最後に
ガソリンスタンドで携行缶を使ってガソリン給油をするには、身分証の提示と使用目的の報告が必要になります。
自分で給油することができないので、セルフサービスであってもスタッフに給油してもらうようにしてください。
普段車を運転しているときにはあまり感じませんが、ガソリンはとても危険なものなので取り扱いには注意し保管する場合には消防法に基づいた形で安全に保管するようにしましょう。