ガソリンスタンドで、携行缶にガソリンを入れたことはありますか?
普段、車に給油するだけならあまり経験がないかもしれませんが、農業用の機械や、発電機などに給油する人は頻繁に携行缶を使っているのではないでしょうか。
ガソリン携行缶の使用については、普段使わなくても今後のために知っておいたほうが良いことがあります。
ガソリンスタンドで携行缶を使って給油するときに、安全に取り扱うためのルールです。
もしもの時のために覚えておきましょう。
携行缶でガソリンを購入するときの注意点
近年ガソリンを使った犯罪などがあったことから、ガソリンの取り扱いには今まで以上に厳しいルールができています。
そのため、ガソリンスタンドで携行缶を使って給油する際は、スタッフから以下のような確認があります。
フルサービスのガソリンスタンド
ガソリン携行缶で給油をする際、フルサービスではいくつか確認があります。
- 身分証の確認
- 使用目的の問いかけ
誰が何に使うかの確認です。
また、ガソリンスタンドでは販売記録として、この情報を毎回記録しています。
ただし、フルサービスのガソリンスタンドでは、携行缶をよく使用するお客様に対しては、携行缶給油用のカードを渡すところもあります。
これを使うことで、身分証明と使用目的を毎回報告しなくてもよくしているのです。
セルフのガソリンスタンド
セルフでの対応もフルサービスの対応と同じです。
ただし、セルフだからといって自分で携行缶に給油することはできません。
身分証を提示し、使用目的を報告した後で、スタッフに給油してもらわなければいけないのです。
しかし、セルフスタンドではスタッフが少ないことから、対応が難しい店舗も多数あります。
そのためセルフスタンドでは、携行缶を使ってのガソリン給油を断るところが増えています。
入れ物の注意
ガソリンスタンドのスタッフに給油を依頼するときには、必ず「危険物保安技術協会の試験確認済証」の表示がされているガソリン携行缶を使用してください。
灯油のポリ缶では給油できないので注意しましょう。
灯油用のポリエチレン缶に、ガソリンを入れるとポリ容器が侵され、変形して漏れる危険性があります。
また、ガソリンは揮発性が高く、キャップ部分が劣化していると、内圧に耐えられなくなり、ガソリンの蒸気が漏れる危険性もあります。
ポリ容器はガソリンとの摩擦で静電気が溜まりやすく、ポリ容器のキャップを開けた瞬間に放電し、ガソリンの蒸気に引火し火災になった事例もあるので注意しましょう。
ガソリンの危険性

ガソリンはとても危険なものなので、取り扱いには細心の注意が必要です。
ガソリンの危険性については以下の通りです。
ガソリンの性質
ガソリンは気温がマイナス40度でも気化します。
つまり、ほとんどどこに置いていても気化する可能性があり、小さな火源でも爆発的に燃焼する性質も持っています。
静電気や、衝撃の火花等でも引火することがあるので、取扱いには十分な注意が必要です。
また、気化したガソリンの体積は膨張するので、保管している容器内は高い圧力がかかっていることがあります。
携行缶等からガソリンを取り扱う際には、火の気がない安全な場所で、圧力調整ねじ等でガスを抜いてから使用して下さい。
ガソリンの保管場所
消防法令に適合した容器で保管する場合でも、合計40リットル以上のガソリンを保管する場合は、消防法令により、建物の改修や手続が必要となります。
・40リットル以上200リットル未満のガソリンを保管する場合は、市町村の火災予防条例に基づき、保管場所の壁、柱、床及び天井が不燃材料であることなど、構造等の要件が条例の基準に適合している旨の書類を添えて、あらかじめ消防機関に届け出ることが必要
・200リットル以上のガソリンを保管する場合は、消防法に基づき、壁、柱及び床を耐火構造とするなど、一定の構造等の基準に適合させた上で、市町村長等の許可を得ることが必要
最後に
ガソリンスタンドで携行缶を使ってガソリン給油をするには、身分証の提示と使用目的の報告が必要になります。
また、自分で給油することができないので、セルフサービスであってもスタッフに給油してもらうようにしてください。
ガソリンは、普段車を運転しているときにはあまり危険とは感じませんが、とても危険なものなので取り扱いには注意し、保管する場合には消防法に基づいた形で、安全に保管するようにしましょう。
