燃費よく運転するには車に重い荷物を載せない方が良いとよく言われます。
なぜならこれは車が重くなると燃費性能が落ちるからです。
しかしもしそうなら、ガソリンは満タンよりも半分程度の方が燃費が良いのでないかという疑問が湧いてきます。
そこでこの記事では、ガソリンを満タンにするのと半分にしておくのではどちら方が燃費が良いのかについて、ガソリンスタンドの販促の手伝いを10年以上行ってきた専門家の立場からご説明します。
ガソリンは満タン給油と半分給油どちらの方が燃費がいい?
結論から言うと、燃費はガソリン満タンでも半分でもほとんど変わりません。
実際ガソリンの重さは燃費に影響するほどではないのです。
ガソリンの重さってどのくらい?
ガソリンの重さは1ℓあたり750g程度です。(軽油は1ℓあたり800g程度)
そのため10ℓ給油しても7.5Kg、30ℓ給油しても22.5kgくらいにしかなりません。
つまり、ガソリンを30ℓ給油するのとその半分の15ℓ給油するのでは、約11.3Kgしか変わらないのです。
15ℓ×750g 11.25kg
30ℓ×750g 22.5kg
その差 11.25kg
11kgというとだいぶ重いようにも感じますが、車に乗せるもので考えるとそこまで重くはありません。
大人一人乗る方が重量への影響は大きくなります。
燃費性能は何kgから悪くなるの?
10㎏程度では重さによる燃費への影響はほとんどありません。
影響が出てくるのは100kgを超えたくらいからです。
ECCJ(一般財団法人省エネルギーセンター)が2ℓのセダン車で行った実験によれば、車重が110kg増加すると一般道で3.4%、高速道路で3.3%、郊外で5.4%燃費が悪化するという結果が出ています。
さらに240kgまで増加した場合には、一般道で8.3%、高速道路で6.2%、郊外で10.6%燃費悪化の結果が出ました。
つまり燃費は100㎏を超えたくらいから影響が出てくるため、ガソリンの重量程度ではほとんど影響がないということがわかります。
むしろ重さで意識しなけれないけないのは大人が何人乗るかです。
荷物が無くても大人なら3人乗れば110kgを超え、5人乗れば240㎏を超える可能性があるので燃費への影響は大きくなります。
燃料満タンの注意点
燃費についてはガソリンを満タンに入れても、半分にしておいてもあまり結果は変わりません。
しかし、あまり車に乗らない人には注意してほしい点があります。
それは、ガソリンは劣化するということです。
ガソリンはタンクの中に半年も放置すると劣化が始まり、色が変色し刺激臭が強くなります。
最終的に劣化したガソリンはドロドロになりエンジンがかからなくなる原因になります。
そのため、普段あまり車人らない人は常に満タンにしない方が良いでしょう。
車重を減らすことによってのメリット
車を軽くすることは燃費を良くすること以外にもメリットがあります。
車本来の性能を発揮できる
車は軽くすることで車本来の性能が発揮できます。
車を軽量化すると加速やコーナーリングなど、その車のスペック通りの性能を引き出すことができるのです。
またブレーキの効きもよくなるため、安全に車を走らせることも車重が重い時よりスムーズにできます。
もしもの時の衝撃が少ない
安全面で言うと車が軽い方が物にぶつかった時の衝撃が少なくなります。
相手が動いているものだと相手の力にも影響を受けますが、動いていないものへの衝突は重い時よりも少なくて済みます。
ブレーキの効きもよくなるのでさらに衝撃は少なくなるでしょう。
部品の持ちが良くなる
車を軽量化するとブレーキなどの部品の持ちもよくなります。
重い車を止めるために使うエネルギーよりも軽い車に使うエネルギーの方が少ないので、ブレーキなどの部品は消耗が少なくなって長持ちするようになるのです。
ブレーキ以外の負荷も少なくなるので、そのほかの部品も長持ちするメリットがあります。
最後に
ガソリンの燃費は満タンでも満タン以外でもそれほど変わりません。
むしろ車に乗る人間の方が燃費に影響を与えています。
また、たいした重さでない荷物もずっと置いておくと少しづつ燃費に影響を与えます。
ガソリンの重さは走ることによって変動しますが、荷物の重さはずっと変わらないので出来るだけ軽量化することをおすすめします。